ある疾患に対して、その治療方法をまとめる必要がある、という場合に作成されるのがガイドラインです。
ガイドラインを作成するための条件としては、対象の病気についての現行の診療内容にばらつきがある場合、患者さんが多く、危険性が高い、治療の費用が高い、という場合などがあげられます。
日本整形外科学会によるガイドラインでは、腰椎椎間板ヘルニアの診断において症状を確定するための基準として、主に片側、または片側が強いタイプの腰の痛み及び、下肢痛を有すること、安静にしているときでも痛みなどがあること。
また、SLRテストで70°以下陽性であること。MRIによる画像診断で椎間板の突出がはっきりとみられ、また脊柱管狭窄所見を合併していないこと、問診や理学所見と画像所見が一致することなどが上げられます。
そしてこの中では、腰椎椎間板ヘルニアによる、痛みやしびれは自覚症状であり、麻痺は他覚的所見であるという基準から、症状というのが腰の痛みや下肢痛のことなのか、または麻痺のことなのかが不明ということなどが指摘されています。
このように病気の診療についてのガイドライン作成は難しい部分が多くあります。
ガイドラインは、診断から治療方法まで、多岐に渡り、また、その中身をすべてまとめて把握することは、医師でも難しいという面を持っています。
また、腰椎椎間板ヘルニアのガイドラインで、予後が良好である条件として、男性であること、画像所見での明確な異常があること、罹病期間が短いこと、心理状態が正常であること、などが定義されていますが、心理状態が正常であるというのは、患者さんであれば正常であるのが通常であり、他の病気として異常があるのかどうか、という点も判断が難しいところです。
多くの患者さんが気になる、保存療法と手術の有効性、についてはそれらの成績はほぼ同等であるというように、人によってはあいまいに思える部分も多くあり、必ずしも完璧なものではないと言われています。


